2000年9月2日 日本での初バカンスからパリへ戻る

フランスに行って初めて日本に一時帰国、あっという間に2ヶ月が過ぎてフランスに戻る日。
成田には友達が車でわざわざ送ってくれ、他にも3人友達が見送りに来てくれた☆ほんと友達の優しさにはいつも感謝☆☆☆
久しぶりの日本、1年半のフランス生活で必要に思った物など大量に買い漁った。フランスでは有り得ない、いかにも日本的で痒い所に手が届くような便利な物、キッチン用品、食材、画材、マンガなど・・・  その結果 荷物は膨れ上がっていた。
今、手帳の簡単な日記を見返すと
 “荷物42.7キロで超過料金が6万いくらと言われ 解体して郵便局で送った。手荷物も大きすぎて「これ以上増やさないでください!」と釘を刺された。○○ちゃんと△△ちゃんから 誕生日プレゼントをもらう。□□ちゃんからは手紙をもらった。・・・飛行機は2階、一番前の席。”などと書かれている。
そうそう、そうだったそうだった。
荷物が22キロオーバーでチェックインカウンターから一度出て、多くの出国者が行き交う空港の隅に寄り 折角キッチリ積めた荷物を解体したんだっけ。バクバクバクバク〜〜〜〜と、次から次へと色んな物が出てきて 友達に「有り得ないーアハハーーー」と笑われながら。
これ位出せばいいだろう、と思ったところで荷物を閉じ、友達に荷物を見張っていてもらって 出した分の大量の物は 別送でフランスに送ろうと 私は一人、急いで上の階の郵便局へ走ったんだったわ。
ダンボールを買って、いざSAL便で送ろうと窓口に行くと「カードは使えません」とのツレナイ返事。空港なのにカードが使えないって有り得ない!!!!!!!えええええーーーーーって衝撃を受けた覚え有り。持ち合わせた現金も数千円しかなかったので 仕方ない、実家に送り返して 実家から改めてフランスに送ってもらう事にした。
つくづく馬鹿ねぇ、私ってば。

荷物番をしてくれていた友人達の所に戻り 荷物を持って再びカウンターでチェックイン。今度はOK、だけれど(上記の日記のように)スーツケースから平行移動して膨れてしまった手荷物に チクリと一言、言われたけれどねー、全然動じないプーーー。(このとき手荷物にヨドバシで買ったプリンターも入っていたんだったわー)
友人達とお別れをして いざ出国。
飛行機は 生まれて初めて2階席☆しかも一番前なので足が伸ばせて素晴らしかった☆☆☆
ただ、特筆すべきは この便、日本の航空会社なのに なぜか かなり黒人が乗っている・・・機内が日本の空気じゃなかった。あれれ?
私の隣2人も黒人。聞くと 何でも日本で会議だか学会だかがあったとかで この便、多数 アフリカからの人が乗っているんだとか。私の隣の人もベナンからの人で、パリ経由でベナンに戻るとの事。パリに着くまでの間、何度も話しかけられ 少し仲良くなる。

この機内での 印象に残っている出来事。
機内食が運ばれてきた時、隣のベナン人は訛りの強いフランス語で「ワインが欲しいんだけれど、ラベル(フィッシュ)を見せてもらえるかしら?」とスチュワーデスさんに言う。
スチュワーデスさんは 英語で「申し訳ありませんがフィッシュはございません。ビーフかチキンになります」と答える。
ベナンのオバサンは「だからーー、フィッシュ(ラベル)見せて」と大きな声で再び言う…
という かみ合わない問答が何度か続いた。
超、超、超偏見なんだけれど、私一人の偏見に満ちた意見、と言う前提で言わせていただければ 今までの飛行機経験から言って スチュワーデスさん、すごく優しい人か、すごくきつい人の両極端だなぁ、という印象があるのだが この時の2階担当のスチュワーデスさんは 前者で しかもキレイとりわけ優しい人だった。
私の大きな手荷物にも嫌な顔ひとつせず2階まで一緒に持って上がってくれ、また、その荷物の中にプリンターやパソコン、CD-ROMドライブ、デジカメなどなど機械物が色々入っていると言うと 座席上ではなく 「後のキャビンにある棚の中に入れた方がいいでしょうから」と普通じゃ有り得ない場所を空けてくれて収納してくれたのだ。
なんて、優しいー☆

余談になるけれど 別の時の飛行機(日本の航空会社)では 真逆の出来事があった。
やはり大きな荷物を持って搭乗した私を一目見るなり 「こんな大きな荷物、どうして持ってきたんですか!持ち込まないでください!」的なきつい一言を目を三角にして言ってきたスチュワーデスがいて「いや、だってチェックインの時にも何にもお咎め無しだったし、搭乗カウンターでも何にも言われませんでしたよ。それに自分で持てる重さの荷物だからこうやって持って来たんです」と反論すると、なんとびっくり!!!!
「それじゃ、ご自分一人で荷物を上にお上げくださいっ!!!」と、スチュワーデスらしからぬ冷たい一言を言い放って行ってしまった。ハァ???と思ってビックリしていると それを一部始終観ていた周りの席のおじさんやお兄さんが 即立ち上がって 親切にも「私が手伝いますよ」と、シャイな日本人にしては珍しく進んで手を貸してくれて 荷物を上にあげてくれた、って事もあったし。

話を元に戻して 
一生懸命 言葉の通じないベナン人のお客様の希望をなんとか汲み取ろうとしている 心優しいスチュワーデスさんに「フランス語でフィッシュって ラベルです」なんて言うのも 私ごときの小娘、しかもレベルがだめだめフランス語の私なのに 差し出がましくて失礼ではないか?しかも傷つけそうって思って これは 聞かない振り、解らない振りをした方がいいのかな?なんて考えめぐらして黙っていた。
けれど 同じやり取りが何度も繰り返され 隣のベナン人も愚痴を言い始め 困ってるスチュワーデスさんの姿に なんか、それはそれで居た堪れなくなって どういえばベターなのかなぁ、不躾じゃないのかなぁ、と悩んだ挙句
「あ、なんか、多分、彼女、どうやらワインのラベルが見たいような様子ですね、あは。」という事を言って その場は丸く収まったけれど・・・。

他の人なら そういう場面、どういう風にするのかなぁ、って 5年経った今でも思う疑問。
シャルル・ド・ゴール空港で 機内で仲良くなったベナン人と記念撮影