1999年9月6日 友達帰国(当時のおフランス日記より。1年目で まだフランス人にイライラしている私)

帰国、と言っても私が帰国ではない。約2週間一緒に過ごしてきた友達が帰国してしまった。
日本から私のマンガを何十冊、更には 無印のMDケースを買って持ってきてもらって その分軽くなって帰国するか、というとそうではなかった・・・。
部屋で最後の荷詰めを眺めていると 当然のようにスーツケースが閉まらない。全体重をかけて乗る。よーうやく閉まる。パチン、パチン!すかさずロック。スーツケースからおりる。ふぅ。 が、見ると 一応、閉まってはいるものの 隙間が。超〜激しいスーツケース。
空港で、重さを量るのが楽しみだった。
私達は一番乗りでチェックイン。やはり 20キロは超えていた。聞くと30キロも超えていた。超えすぎていて「HEAVY」ステッカーをつけられていた。HEAVYステッカー すごく羨ましかった。
思い返せば 彼女と一緒に香港に行った帰りも すさまじかった。
中国らしい食器を買いまくり、下らんものを買いまくった私達。一応、割れものだし重いので(並みの重さじゃなかった)食器類は段ボール箱に入れて手荷物。これで スーツケースが軽くなる!!!と思いきや、全然そうではなかった。空港で 重さを量ると(確か)36キロ。言い逃れ出来ずファーストクラスの料金の何パーセントだかの高ーーーーーい超過料金を取られてしまったのだ。香港ドルを前夜にギリギリまで使い切った為お金の持ち合わせがなく 渋々カードで払ったけど。
わたしのスーツケースは その重さに耐えきれず 割れ、キャリアが内側にめり込み、重い上に真っ直ぐに進まない、と言う悲惨な状況に陥った。えーんえーーーん。
その時は 超過料金はあったけど HEAVYステッカーのサービスはなかった。
くそっ。
だからかなり今回は羨ましかった。超過料金も取らない○N○、太っ腹ーーー。その上「フラジールも付けて」というと それも付けてくれた。別に壊れ物は入っていないけど 強いて言うならスーツケースそのものが壊れそう。
ほんと、“激しい”の一言しか言えないスーツケースは いの一番にベルトコンベアーにドシッと乗せられ流れて行った。
 きゃー。私、今は懐かしいハイテク スニーカー履いてるわ〜。あの頃は、まだクールだったんだよねぇ。去年帰国の時には エアーマックスや テールウィンドなどのハイテクスニーカー全部捨てちゃった☆だって 今は ローテクよねぇ☆

その後。

彼女と別れ さて帰るか、と、RERの駅に行く。しかし 待てど暮らせど電車は来ない。
「電車は止まっています☆」と素敵な放送。ナンだよ、中央線みたいだなあ。と思って ホームから改札のほうに行くと駅員が 質問攻めにされている。あー、この状況からすると何時間待っても電車は来ないかも、と思って 取り敢えず駅員に聞くとやはりそう。「切符を払い戻ししてもらって、バスでパリに行け」との事。
しゃーない、バスでかえるか、と改札を出ると 日本人が さも 困った、けど何が起こっているのか分からん???的な様相で突っ立っていた。
日本人 手には必ず 「地球の歩き方
以前 パリじゃないけど 「地球の歩き方を持っているのは日本人だと現地人はみんな知っているから 狙われる。」って話を聞いたことが有るけど ほんと、分かりやすーーーーーい。あの本、まわりが水色で特徴あるし。
私が近くに建つホテルにトイレに行って しばらく経って戻っても その人はまだその場所に固まって居た。緊急事態、いよいよ困っているんだな、と思って話し掛ける。パリ市内に行きたいが・・・・と言うことだったので 一緒にパリに行く事に。
バス停でパリ行きのバスを待つ。しばらくすると 近くの地下鉄の駅まで無料で運転してくれる臨時バスがきた。これに乗る。そして 7番線の始発駅 LA COURNEUVE 8 MAI 1945 に到着。降ろされる。
定期券をもっている私は 地下鉄はそのまま通れるのでチケットを買う必要はなかったがその人は 買わなくてはならない。券売所で「切符1枚」と、その人は100フランを出した。すると 券売所のおっちゃんは「釣りがないから売れない。」とぬかす。は?釣りがないから売れないって、じゃあ、どうやって電車に乗ればいいんだよー。しかも釣りがない、じゃないだろう、釣りがなくなりそうなら 銀行に行って両替だろうが。またもや 「フランス人」の働きぶりを見せ付けられあきれた。
見ると私も小銭が無い。仕方がない、残された手はただ一つ。
「じゃ、無賃乗車しますか☆」
その人はちょっと驚いていた。そりゃあ、パリについてすぐ 見ず知らずの人間にそんなこといわれちゃ、ね・・・でも 他に手立て無し。「じゃ、私に ぴったりついてきてくださいねー」と言い 無事 改札通過。フランス人方式。
パリの地下鉄は出るときにはきっぷは必要ない。入り口さえクリアすれば OK。と言うわけで 今回の私が使った「ぴったり入っていく方式」をする人もいるし、大胆に「改札飛び越え方式」の人も居る。「出口からダッシュ方式」も時たま見られる光景。
その人とは 私の乗り換えの駅で別れる。私は降りる前に「時たま コントロールが有って 切符が無かったら250フランの罰金を取られるので注意してくださいね。あんまり大きな駅で降りないほうがいいですよ。」と 一言残した。
いやーーーー緊急事態とは言え 無賃乗車、 いけなかったかしら?エヘヘ。