今回 基本的にお世話になったのは フランス人の中では一番の親友のお宅。20区ガンベッタにある、パリにしては珍しい平屋建ての一軒家。そこに家族と猫と住んでいる。

国連で仕事をしているお父さんは現在ミッションでケニアに出張中との事で留守。親友も彼氏の家で半同棲中なので留守がち。時々お兄さんが帰って来るけれどインターネットを使ったらまた消える。お母さんは朝仕事に出掛けて帰って来るのは夜、しかも週末は田舎へ。
と言う訳で ほぼ私と猫だけという、かなり気ままな“コム シェ モワ”滞在。
結果的には 私の帰りは夜遅かったり、その上 別の家に何泊もしたので なんだかんだあんまり友人宅には居なかったけれど・・・。でもすごくお世話になりました☆☆☆☆☆
友人宅に到着すると 親友とお母さんが出迎えてくれる。ちょっと荷解きをした後、わざわざワインを買って用意してくれていたので3人で飲みながらお話。
彼女のお母さんに会ったのは初めてだが 本当に優しいお母さんでホッ。「あなたの話はいろいろ聞いているわ。自由に使って頂戴ね。遠慮は要らないわ」に始まり 先の日本の選挙の話や それから私がebay(ネットオークション)で落として彼女の家に届いていた本をネタに話が弾む。(普通に難しいフランス語で話してくるので 途中解らない言葉も色々有ったけれど・・・)
1冊は資料として落とした“LA MODE ILLUSTREE"の創刊号である1877年の年鑑。この中には当時の流行服、髪型、アクセサリー、話題のホテルなど情報満載。フランス人にとっても面白いらしく この本を見ながら友人のお母さんはワー!キャー!言いながら色々解説を加えてくれた。
 
もう一冊は 1894年に出版されたルイ・ヴィトンの旅行本の創刊号。(創刊と言われると落としたくなる性分のようです、私は・・・)ルイ・ヴィトンは 個人的には趣味ではないけれど ヴィトンが出している旅の本は素敵なので大好き。その第1号、ebayでの説明でも興味を持って落としちゃった☆☆☆
 
説明は以下の通り。

LOUIS VUITTON Fils - Huchier -
LE VOYAGE
DEPUIS LES TEMPS LES PLUS RECULES JUSQU'A NOS JOURS
ILLUSTRE DE 40 GRAVURES SUR BOIS ET DE DEUX PORTRAITS A L'EAU-FORTE
PREFACE PAR EMILE GAUTIER

Paris
E. Dentu Editeur
Librairie de la Societe des Gens de Lettres
1894.

Un volume in 8° (25,5 x 16,5cm), broche, couverture illustree par HENRI PILLE en couleurs, titre imprime au dos.
Excellent etat, entierement non coupe, tel que paru, jamais ouvert.....
Fx-titre, titre, 288pp., 4ff. non chiffres.

Tres rare publication redigee par le fils de l'inventeur de la marque Louis Vuitton, la celebrissime marque de baggages toujours vendue dans le monde entier.
Histoire du baggage a travers les ages, tres richement illustree, et ornee de deux portraits graves hors-texte a l'eau-forte de Louis Vuitton pere et Louis Vuitton fils, l'auteur de cet ouvrage.

Ouvrage edite a compte d'auteur a l'epoque et destine a etre offert aux plus celebres clients de la celebrissime marque de luxe.

Edition originale de cet ouvrage; une seconde edition fut imprimee par la suite, quelques annees apres, mais sans les deux portraits des fondateurs de la dynastie.

Tres rare dans cet etat.

ワクワクして手に取ると 説明通り、上の部分の紙が繋がっている状態の新品の本。キャーーー☆(勿論100年以上の時を経ているので 紙は黄ばんでいるけれど)
友人のお母さんが「昔の本はね、こうやって紙が繋がっていてね、自分で切り開いていたのよ」と教えてくれる。ヘーーーーーーーーーーーーー!!!勉強になるわぁー。別のヒトからの情報だと だからペーパーナイフという物があるんだとか。ヘーーーーーーーーーー!!!
表紙に書かれた ルイ・ヴィトンの文字は“LOUIS”ではなく“LOYS”。「ここにも年代が表れているわー」と一言。
他に“LA JOIE DU FOYER"という1865年の雑誌を4冊。これについては“FOYER”と言う言葉の微妙なニュアンス的意味を解説してくれる。

1時間半程 お話をしただろうか・・・

実は 初日のこの日、この親友宅に泊まるのではなく別のヒトのウチに行く事になっていたので 夜も更けてきたその辺でお開きにし、多くの荷物を残し 簡単な泊まり道具だけを持って親友宅をお暇した。
最終目的地の場所についてフランス人の親友は“昼間でも行きたくない”と日頃から口にしている場所で、この時も「絶対にタクシーに乗って行ってね、絶対ね!!!」と念押しされたので 言われるがまま 駅前でタクって向かう。